VS~Honey~
学校に着き、職員室を訪ねると奥からこちらに手を振る白衣の男性が見えた。
「あぁ、待っていましたよ。 相川美紗さんですね。担任の斎藤です。担当教科は数学です。よろしく。じゃぁ、教室へ行きましょうか」
「はい」
担任の斎藤先生はニッコリ微笑み、「こっちへ」と教室へと向かった。
なんとも穏やかそうな先生だ。
そこそこルックスはいいんじゃないかな。背は高いし、結構若いし。
白衣が似合う。
生徒からの人気がありそうな先生だ。
他愛のない話をしながら先生と教室に向かったが、私は先生が気に入った。
こんなに優しい先生なら大丈夫そう。
少し緊張がほぐれていった。
「さぁ、ここですよ」
先生が教室の前で立ち止まる。
2-B
私のクラスだ。
やばい。ちょっと緊張。
私の強張った表情を見て、先生が軽く肩を叩いてくれる。
「大丈夫。このクラスはみんな気さくでいい子ですよ」
先生はニッコリ微笑みドアを開けた。
先生の後ろに着いて入室する。
「転校生を紹介します」
「相川美紗です。よろしくお願いします」
促されて挨拶をし、頭をさげた。
先生が軽く私の紹介をしているが、クラス中からは好奇の目で見られている。まぁ当たりまえですが。
「相川さんの席は1番後ろの……『ガラガラ……』
先生の言葉を遮るように、教室の後ろのドアが開いた。