VS~Honey~
入室してきた人に目を見開く。
「遅いですよ」
「すみません、先生」
先生の注意にも悪びれず、ニッコリ笑顔で席につくひとりの男の子。
な、んで??
言葉を失った。
なんと教室に入ってきたのは、佐々木晴紀だった。
「仕方ありませんね。今日は転校生もいることですし、見逃してあげます」
「ありがとうございます」
開いた口が塞がらないとはこのことだよ。
こんなことってある?
誰か嘘だと言って。
同じ学校、しかも同じクラスとは。
「相川さん、席は1番後ろ。今入ってきた佐々木くんの隣です」
そうきたか。
ひとつだけ空いていた席に着き、チラリと右隣りを見る。