VS~Honey~
ハァハァとちょっと息がきれる。
晴紀は掴んでいた腕を離し、フェンスに寄りかかって座り込んだ。
「何? どうしたの?」
「いや、後は二人の問題だからさ、あれ以上覗くのはちょっと気が引けてさ。後で様子確認の連絡を入れるとして、俺らはここで待ってよーぜ」
「へ?」
そして地面にゴロンと横になった。
いや、まぁ確かに、後は二人の問題だし、隠れて見てるのも悪趣味だけど、でも急に引っ張っていくことはないと思う。
メンバーの様子に居たたまれなくなったのだろうか。
ああ、でも上手くいったかな。
大丈夫だよね、うん。
「……地面いてーな。おい。ちょっとこい」
起き上がった晴紀は私に手招きして横に座れとジェスチャーする。
「? えっ」
言われたまま横に座るとフワッと肩に頭をのせてきた。