VS~Honey~
小さく舌打ちをして美紗の姿を追った。
「あ、晴紀くん、一緒に隠れない?」
「ゴメンね。先輩たち」
「佐々木先輩、あの一緒に……」
「ゴメンね。急いでるから」
走りながらいろんな人に声をかけられるが、アッサリと断る。
今はそれどころではなかった。
しばらく校舎内を探したが美紗の姿はなく、どこにいったか検討がつかない。
どこにもいねぇ。
どこに居んだよ。
まさか既に捕まってたりして。
鬼役からにげながら、廊下をキョロキョロと美紗を捜していると、穏やかな声が後ろからかかった。
「佐々木くん。まだ捕まってないようですね」
声がして振り返ると、斎藤先生がにっこり微笑んでいた。