VS~Honey~



晴紀にあいたい。

あいたい、晴紀。

どこにいるの?

ねぇ、どこにいるの。


闇雲に走り回るが、晴紀の姿が見えず、涙は止まらない。
視界が涙でボヤけ、私は走るのを放棄するようにその場にしゃがみこんでしまった。


「はる……き」


その時。


「美紗っ!」


急に横から腕を掴まれた。

ハッとして顔を上げる。

そこには息をきらした晴紀の姿があった。


「はる……」

「何があった!?」


晴紀は驚愕の色を浮かべ、顔が険しくなる。

晴紀だ。晴紀がいる。
晴紀の声にもっと涙が溢れてきた。

晴紀だ……。



< 143 / 211 >

この作品をシェア

pagetop