VS~Honey~
「俺も、美紗をさがしてた」
耳元で晴紀は低くささやく。
その声で、晴紀が側にいると改めて実感する。
「ごめんな。すぐに見つけてやれなくて。助けてやれなくて。ごめん、ごめんな」
切なげに何度も謝ってくる。
晴紀。
晴紀の温もりが身体を包む。
「美紗のこと、守ってあげたかったのに。あんな思いさせたくなかったのに」
あんな思いとは、私が怖がったことだろう。晴紀は守ろうと思ってくれていたのか。
だから今も探しに来てくれた?
晴紀の優しさが染み込んでくる。
あぁ、やっぱり。
ドキドキはするけど、晴紀の側は誰よりも誰よりも。
「安心する……」