VS~Honey~
「は、離してよ」
「俺がこうしているのは嫌?」
「そうじゃなくて……」
「うん?」
嫌だなんてことはない。
先生に触られた時のような気持ちには一切ならない。
むしろずっとこうして安心していたい。
包まれていたい。
触っていて欲しい。
でもそんなこと恥ずかしくて言えない。
「なに?」
その目は全てお見通しかのよう。私の言葉を待っている。
「なに? 言って」
それでも私に言わそうとする。
「は、恥ずかしいよ」
「なんで?」
なんで!?
そこまで言わすか。
なんで晴紀だと恥ずかしいのか。それは。
それ……は?
私が口を閉ざし、考えるような表情をすると、晴紀は真剣に見つめてきた。
「美紗、考えて。そして教えて」
それは……。
そしてハッとする。
あぁ、そうか。
私、やっぱり……。
晴紀のこと………。