VS~Honey~


「俺は……」


私が黙り込んでいると、晴紀が痺れを切らしたようにまた、私をギュッと抱きしめた。


「俺はずっとこうしていたい」


はる、き?

晴紀の言葉に耳を疑う。

それって………どういうこと?
こうしていたいって、どう言うことだろうか。


「そのままの意味だよ」


私の考えを読んだように、晴紀の声が低くなる。


「美紗の側にいたい。守りたい。っつても、今回は守ってやれなかったけど。でも側で俺が守りたい」


苦笑した晴紀の胸が動き、守りたいと言った時に心臓が速く鳴っているのに気がついた。


「晴紀の心臓ドキドキしてる」


今、気がついた。
私と一緒で、晴紀の心臓もドキドキしていたんだ。


「うん。ドキドキしてるよ」

「どうして……」


そう聞くと晴紀はまた苦笑する。


「どうしてって、決まってんじゃん」


何を今更といった感じだが、その身体に力が入り緊張しているのがわかった。



< 149 / 211 >

この作品をシェア

pagetop