VS~Honey~
「俺は……」
私が黙り込んでいると、晴紀が痺れを切らしたようにまた、私をギュッと抱きしめた。
「俺はずっとこうしていたい」
はる、き?
晴紀の言葉に耳を疑う。
それって………どういうこと?
こうしていたいって、どう言うことだろうか。
「そのままの意味だよ」
私の考えを読んだように、晴紀の声が低くなる。
「美紗の側にいたい。守りたい。っつても、今回は守ってやれなかったけど。でも側で俺が守りたい」
苦笑した晴紀の胸が動き、守りたいと言った時に心臓が速く鳴っているのに気がついた。
「晴紀の心臓ドキドキしてる」
今、気がついた。
私と一緒で、晴紀の心臓もドキドキしていたんだ。
「うん。ドキドキしてるよ」
「どうして……」
そう聞くと晴紀はまた苦笑する。
「どうしてって、決まってんじゃん」
何を今更といった感じだが、その身体に力が入り緊張しているのがわかった。