VS~Honey~

大切な…



ーーーー


「晴紀ー。聞いたよ。美紗ちゃんと両思いになったんだって?」


リハーサル室に行くと陸が満面の笑みで飛びついてきた。

情報早いな。

それを聞いた他のメンバーも口々に祝いの言葉を述べた。


「マジかー。よくやったなぁ、晴紀」と龍太郎はゲームをしていた手を止めて、満面の笑顔で喜んでくれて、「付き合うことになったのか。良かったな」「おめでとう」と鉄平とレオはケータリングを食べながら祝ってくれた。

メンバーに言われるとちょっと照れる。


「ありがとう」


その後しばらくからかわれたけど、喜んでくれるメンバーが嬉しかった。

なんだかんだとからかい合う関係だけど、兄弟のように仲の良い自分たちだから、こういうときも喜んでもらえると嬉しい。


「先生のことは?」

「お前、何でも知ってるな」

「美紗ちゃんが結衣に話すからね」


陸には全て筒抜けかと内心苦笑する。
まぁ、いいけど。


「先生とは明日、ケリつけるつもり」

「そっか。穏便にね?」

「あぁ。一応、教師だから手はださねぇよ」

「……心配だなぁ」


陸がボソッと言うが、そんな立場が悪くなるようなことはしない。
ただ、はっきりと白黒はつけるけどな。



< 153 / 211 >

この作品をシェア

pagetop