VS~Honey~
ーー
「で? お前らどこまでいってんの?」
「ゲホッ」
突然の龍太郎のセリフに飲んでいたお茶をむせてしまった。
さっきまで行われていた雑誌のインタビューも終わり次の現場に向かうバスの中。
龍太郎が周りにいるスタッフには聞こえないように囁いてきたのだ。
「えっ? その反応だとまだ何もしてないとか?」
驚いたように口を押さえる。
この人は本当、こういう勘だけは鋭い。
「出来ねぇよ。抱きついただけで赤くなって慌ててるんだぜ?」
「はぁ~、可愛いねぇ。でも、お前が辛いだろ。ひとつ屋根の下で暮らしてんだし?」
「……」
そりゃぁ、辛くないと言ったら嘘になる。
好きな女と暮らしてるんだし、男としては実際、理性抑えるのに必死だ。
でも……。