VS~Honey~
「晴紀のことよろしく」
にっこり微笑み帰っていくレオを唖然と見送る。
言葉少な目な人だけど、わりと強引なタイプの人かもしれない。
でもその強引さは相手を考えてくれているからこそで、今はちょっと有り難いと思ってしまった。
要はレオが着いてきてくれたことで仲直りのきっかけを作ってくれたのだ。
それでも気は進まなかったが、やはり晴紀に会いたい気持ちが強く家に入った。
「晴紀? あの……」
意を決してリビングに入っていく。
と、そこに。
「はる……き? 晴紀!」
階段の側にしゃがみ込む晴紀の姿があった。
急いでかけよると晴紀は苦しげに眉を寄せ、汗をかきグッタリしている。
「晴紀っ?」
熱い。体にふれると燃えるように熱く、すごい熱があるのだとわかった。
どうしよう。
とりあえず、部屋に運んで寝かせないといけない。でもこんなにグッタリしていては立てないだろうし、私の力では起き上がらせることもむずかしかった。
「あっ」
私は急いでレオを追いかけた。