VS~Honey~
「えっ?えっ?」
驚いてソファーから立ち上がり後ずさる。
あっという間にじりじりと壁まで追い詰められてしまった。
なんだこれ!?
「知りたいんだろ?俺のこと」
目の前には晴紀のキレイな顔のドアップ。
顔がひきつった。
「どいて? ね?」
努めて穏やかに話す。
それでも晴紀はどいてくれず、それどころか壁に両手をついて、私を腕の中に閉じ込めた。
これは、日本で流行りという壁ドンってやつじゃないか!
「……美紗」
耳元で名前をささやかれる。
ゾクッ。
なんだこれ。
さっきまでは冷や汗ものだったのに、一気に体の熱量があがる。
その甘い声に反射的に私はギュと目をつぶった。
「……腹減った」
「……へっ?」