VS~Honey~
目を開けると晴紀は私から離れていた。
唖然とその背中を見送る。
「何かない? 俺飯まだなんだよね」
「め、飯……?」
「フッ。お前でもいいけど?」
晴紀はニヤリと笑った。
その目が完全に馬鹿にしている。
「ふざけるな!」
「冗談に決まってるだろ。顔赤いぜ? お前本当わかりやすいっつーか、からかいやすいよな」
ハハハッと楽しそうに笑い、私が夕飯で作った野菜炒めを食べはじめた。
私はまだドキドキがおさまらない。
からかわれて悔しい。悔しいのにドキドキしている。