VS~Honey~
同居は…
Dear父上様、母上様
我が家の同居人は心臓に悪いです。
私が一体何をしたというのでしょうか………。
なんてことは手紙にもメールにも書けないのだけれど。
「なんだかなぁ~。主導権は私にあって良いはずなんだけどなぁ~」
ベッドの上で風呂上がりの濡れた髪を乾かしながらつぶやく。
明らかにからかわれて遊ばれている。
でも、いくらムカついてもあんなキレイな顔で見られたら誰だってドキドキするっつーの。
アイドルだって言われてもいまいちピンとこない。
コンコン。
ドアをノックされた。この家でそんなことするのはひとりしかいない。
……無視してみようかな。
「シカトしてんじゃねーよ」
瞬時していると返事をする前に開けられた。
げっ、信じられない。勝手にあけるなんて。
「無視してませんっ。勝手に入らないでよ」
「うっせぇ。ところでお前、午後のノート持ってる?」
「持ってるけど?」
「見せて」
「……どうぞ」
一瞬嫌だと言いたくなったが、言うだけ無駄な気がして素直にノートを渡した。
大体、ノートを借りにきたくせに態度が大きすぎるのだ。
でもまたここで腹をたてるのは疲れる。