VS~Honey~


私はすっぽりと晴紀の腕の中におさまってしまう。
なにこれ! なにされてるの!?



「ちょっ! 離してっ」
「うるさい……。眠たい…………ーー。」



知るかーー!


必死にもがくが離れてくれない。
それどころか逆にしっかりと抱きしめられてしまった。

動けない。

自分でも聞こえるくらい心臓がドキドキなっている。

どうしよう。どうしたらいい。

頭でグルグル考えるがまとまるはずがない。



「ん~……フカフカする 気持ちいい…………」



フカフカって、何の夢をみてるんだよ。

私がフカフカってことなら失礼極まりないぞ、コノヤロウ。

晴紀が身動きするだびに甘い香りが鼻孔をくすぐる。

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