VS~Honey~
「ハクション!」
自分のくしゃみで目が覚めた。
寒ッ!
目線のさきにある窓からは西日が部屋に降り注いでオレンジ色に染まっている。
どうやら結構眠ってしまったようだ。
すると急に空腹感を感じる。
そういえば、空港で軽くサンドイッチを食べてから何も口にしてない。
さすがにお腹すいてきた。でも材料なんてないだろうし……。買いに行かないとならない。
面倒だから何か宅配しようかな。
そう思いながらゴロンと寝返りをうつ。
そして、目の前に写し出された光景に大きく目を見開いた。
なぜなら目の前に男の寝顔があったからだ。
そう男の寝顔が。
男の……。
おとこ……………。
「男ッー!?」
私はベッドから勢いよく起き上がる。
その弾みでベッドのスプリングが大きく跳ねた。
っか、何でここに男が!?
服! 下着! あ、よかった。ちゃんと着てる。
ホッとしたのも束の間。
低く地を這うような不機嫌な声が聞こえた。
「うっせ~な……。耳元でさけぶなよ」