VS~Honey~

目覚めた男と目が合う。
あ、すごい美形。
男の容姿に一瞬ドキリとときめいてしまった。

男は体を起こし、すごく整った顔をこちらに向けた。
綺麗な二重に筋の通った鼻。男のくせにと思うくらいな小顔。

男は目元にかかったサラサラの髪を鬱陶しげに手で払う。
そして真っ直ぐ私を見つめた。


「お前、誰?」

「はっ!?」


思わず見とれていた私は、男のそのセリフで現実に戻る。


誰って………。

それはこっちの台詞だ。


「あ、あなたこそ誰ですか……?」


私は恐る恐る聞き返す。
泥棒です、とかいわないでよねと心のなかで必死に祈る。
しかし男は眉を潜める。


「俺が聞いてるんだけど」


男に真っ直ぐ睨みつけられ、その迫力にたじろんだ。



「あ、相川美紗です」


って、答えちゃってるよ。私!
迫力に負けてしまい、気がつけば名前を名乗っていた。


「相川美紗……ふぅ~ん」



ふぅ~ん、って。
男はジロジロと私を品定めするように不躾に眺めてくる。

その横柄な態度に私は次第に腹が立ってきた。
だいたいここは私の家だ。ここで怯んではいけない!
正体不明の男は怖いが、ここは強気で出ようと考えた。


「あんた誰なの!人の家で何してるのよ」


男と距離を取りながらも、ビシッと指を指す。
すると、男は何を聞いてるんだと言わんばかりな声で衝撃なことを口にした。


「何って……。住んでるんだよ」


……………は?


今、なんて………?

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