VS~Honey~

先生は…

ーー


眩しい。
今日も晴天なり。眠いなり。辛いなり。

朝の光に目をしかめていると後ろから声をかけられた。
振り替えると結衣が小走りでやって来る。


「美紗、おはよう」

「おはよう、結衣」

「眠そう~」

「古典のまとめに時間かかっちゃってちょっと寝不足」

「ああ、あれね。私も時間かかったわ」


二人で校門を入り、昇降口に差し掛かると同時に後ろが騒がしくなる。
振り向くと晴紀が男子達と楽しげに登校していた。
なんとも爽やかなんて笑顔だこと。
朝会ったときは不機嫌そうだったくせに。

さすがですね。


「佐々木くんって最近表情いいよね~」

「へっ?」


結衣の唐突な言葉に顔をしかめた。
さっきまで家で不機嫌な表情を見ていたため、結衣の言っていることが理解しがたい。

表情が良い? どこが?  

いつもと同じ表裏だけど。


「なんかさ、こう、スッキリしてる感じ?」

「スッキリ?」

「うん。あと、爽やかさに磨きがかかったというか、猫かぶりに磨きがかかったというか」

「へ~、えっ!?」


今、なんと!? 猫かぶりって言いました!?


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