VS~Honey~


「面白いな。いじめたくなる」


は? いじめたくなる?

晴紀はニヤッと笑い、私の髪に触れた。
思わずビクッと肩を揺らす。
悔しいがそんなしぐさもドキッするほど様になっていた。



「あんた何者なの!?」

「知りたい?」



私完全にからかわれている。負けじと晴紀を睨みつけるが、それを見て晴紀はフッと笑った。



「秘密」

「え」


人差し指を私の口に当て ニッと笑い部屋を出て行った。

なに、あれ。

あんなのイケメン以外がやったら鳥肌ものだ。


そして私は完全に遊ばれた気がする。

どうして私がからかわれなきゃいけないのよ。
この家の持ち主は私でしょう。
歳は同じくらいだろうと予想は出来るけど、でも名前しか知らない同居人ってどうなの!?

なぁにが、「秘密」だ。
キザったらしい。
ああいうタイプは苦手。
私の好みではない。
晴紀にはただただ腹が立った。


でも、情けないことにそんなあいつにドキドキしてしまった自分にも腹が立つ。
いくら性格がムカツクからといっても、あんなイケメンだ。
イケメンに免疫なさすぎ。
あんな仕種に顔が赤くなってるんだから。
なにやってるの、自分。
情けなさすぎだ。
ハァ……………。





これからどうなるのだろう。


深い深いため息が出てきた。


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