VS~Honey~
晴紀は手でオッケーサインをだす。
メンバーには前から伝えてあったと言うことか。まぁ、陸に知られていた時点で特に疑問にも思わなかったのだけれど。
「そうなんだ」
「ごめんね、突然来て。迷惑だったかな?」
鉄平はごめんと手を合わせる。
謝るのは私の家でもあるからだ。でも別に迷惑ではない。
「いいえ。というか、むしろ迷惑なのは私のほうなんじゃ?」
チラッとテーブルを見ると楽譜やらギターやらが置いてあり、明らかに仕事をしてたような雰囲気だ。
「気にしないでー。ただの習慣だから。この家広いから、ついいつもここで打ち合わせしちゃうんだよね」
と、陸はペンを器用に回す。
「ちょうど終わったころだし、美紗ちゃんもここに座りなよ」
鉄平がおいでおいでと手招きをする。
え、そんなこといわれてもとちらっと晴紀を見るが、晴紀は真剣に楽譜を見ていた。