後悔の後・・
爺さんに言われて思い出だした・・・

出会っていたのに俺は思い出さずに・・千佳はどんなおもいで・・・


「お前との結婚が決まり、千佳さんは初恋の信也さんと結ばれて嬉しいですと泣きながら喜んでいた・・それなのにお前は・・千佳さんを泣かせたばかりか曾孫まで・・お前が多忙で無理だからと一人できてくれたときの千佳さんはどこか暗い感じだったのに・・明るく振舞って・・もっと気づくべきだったと後悔した・・お前ならきっと千佳さんの良さが伝わると信じたわしが馬鹿で愚かだった・・」


爺さんに怒鳴られ・・俺は何も言えない・・


「確かに・・俺は・・馬鹿で・・酷いよ・・だから償いたい・・今度こそ大事に・・」


「馬鹿もん!簡単にやり直せると?信じろというのが無理だ!亡き親友に申し訳ない・・お前の名づけ親でもあったのに・・」


「えっ?俺の名は爺さんが考えたんじゃ?」




「親友が考えてくれたんだ・・そしてわしが千佳さんの名を・・可哀想に・・できのわるい孫のせいで酷い目にあって・・わしが親友の立場なら、二度とお前に合わせない・・どこかで無事でいてくれたら・・他にいい人出会って幸せになってくれれば・・」



爺さんは涙を流していた・・・



俺は黙って俯いた。


俺の名は千佳の爺さんが考えてくれたのか・・そんな人の孫に・・俺は・・


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