暴走★Boy
いきなりあんな事言ったからか、山田くんはよく理解できてない様子だったけど。
「ばーか」
そう言って、いつものようにデコピンしてきた。
「った」
デコピンされた所を上下にさする。
「ごめんって、ありがとうって…。言われるような事、俺はひとつもしてない」
そっと立ち上がる山田くん。
「でも!」
「うるさい。した覚えないって言ってんの」
そう、私の言葉を遮った山田くん。
「………」
「…おまえ、何か勘違いしてる」
「えっ…?」
「おまえの言いたい事はわかってる。でも、俺は別に結嘉、おまえじゃなくても、別の誰かでも、きっとこうしてた」
「………山田くんって…」
お人よしで、どこまでも、優しい。
「なんだよ」
「…おもしろい」
「おまえに言われなくない」