あなたの心がほしい……。


沙「わかりました…。あたし、京ちゃんと別れます。」

女「えっ?」
いきなりの発言に驚いている彼女。



沙「だから、あたし、京ちゃんと別れます。だから、赤ちゃんを幸せにしてあげてください。」



あたしが再びそう言うと…、
女「ありがとう。ありがとう。」


あたしの手を握ってお礼をいってきた。








――――――――――――

沙「それで京ちゃんにはいったんですか?妊娠のこと…。」


女の人が首をふる。


女「あの…、あなたと相多君別れてから言いたいんです。そうしないと彼、傷付くと思うんです。」


沙「どういうことですか…?」


女「相多君は優しいから赤ちゃんが出来て別れを切り出すのはあなたを傷付ける…と自分を責めると思うんです。」


確かに…。
京ちゃんは誰にでも優しいから自分を責める。
だったら……、


沙「わかりました…。今日、京ちゃんにあたしから別れを切り出すので明日にでも赤ちゃんのこと京ちゃんに話してあげて下さい。」


女「ありがとう。ありがとう。相多君の彼女があなたで本当に良かった……。」



ズキッ―


別れなくちゃ。京ちゃんと。
覚悟決めなきゃ皆が傷つくから…。










あたしは別れるため、京ちゃんの部屋へ―…。





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