落ちていく雫
序章
ある日、僕は恋をした。
一目見た時から気になっていた。
それなのに僕は何も言えなかった。
今更になって考えた。
あの子はもういないのに………


ある日、僕は彼女と出会った。
四月一日の高校入学のときだ。

僕が見とれていると、彼女は手を振ってくれた。
そのことは、今でもしっかりと覚えている。

僕は本当に彼女が好きだったから。

あのときから、十年もたっているのに。


彼女は高校を卒業し、その帰り道に交通事故亡くなった。

僕の目の前で。

本当に悔しかった。
僕に生きる希望を与えてくれた彼女が亡くなってしまったのが、本当に悔しかった。

僕と彼女は高校1年の時に出会った。

僕の名前は、有里 湊(ありさと みなと)

彼女の名前は、椎名 雫(しいな しずく)


僕のことを彼女は『みなと』
彼女のことを僕は『しずく』

と、呼んでいた。

僕は、雫に会わなければ死んでいたかもしれない。
雫には、何度も助けられた。
だからこそ、雫は大好きだった。


その雫が死んでしまった今、
僕は何をしていいかわからない。

今をさまよっている。

一人になって、色々と考えた。
雫は僕を本当に愛していたのか。
僕と付き合って幸せだったのか。


僕の部屋には一冊の日記がある。

雫と僕が1日交代で書いていた日記だ。

雫が死んでしまってから
読みたくはなく、しまっておいたが
今日、決心した。


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