落ちていく雫

2012年 4月25日

四月二十五日。
その後は、何事もなく時間が過ぎていき、入学してから時間がたった。

雫はクラスのアイドル的な存在で、人望も厚く、このクラスには欠かせない存在になっていた。

一方、僕は馴染むことが出来ずいつも、一人でいた。

今日、僕は雫を呼び出した。
聞いておきたいことがあったからだ。

指定した時刻となり、雫がきた。

「なぁ……楽しいことって何なんだ?
俺にはわからないんだ。前にお前に言われてから復讐したくなくなった。
だが、復讐を取ったら生きていけないんだ!」

これは、僕の心からの本音だ。

そして雫は、こう言った。
この言葉が、僕から復讐の呪縛を解き放った。

「じゃぁ私があなたにとって欠かせない存在になってあげる!」

は?
意味が全くわからなかった。
何を言っているのかと思った。

「私が一緒に楽しいことを探してあげる。
そしてそれを見つければ生きるために必要になるでしょ?」

雫は、笑顔でそう言った。
いまだに僕には意味がわからない。
何故、ここまで僕の為にしようとしてくれるのか。

「だから一緒に頑張ろうよ」

僕は、涙が出た。
いままで僕に優しくしてくれたのは、親友の奴しかいなかった。
だが、そいつは死んだ。
今の俺には何も無いと思っていた。

だが、雫がいた。
それだけで十分だった。

「うん………うん!」

この頃、僕の頭には復讐なんて消えていた。


四月二十五日 Fin~
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop