彼の元・彼女の元へ
すれ違うだけの船だってあるだろう。

ミューとこうして出逢った事にも何かしら意味がある気がしてきた。

お互いの何かを必要としたからこうして引きあったのではないだろうか。

少なくともあの沈みゆく瞬間にミューに見つけてもらえなかったら私は今、この世にいないだろう。

そして次の瞬間お互いが同時に存在していなかったら…どちらもやはりこの世にはいなかっただろう。

さて問題はこれから来るべき次の瞬間だ…。

このバターンからいくと次はミューが私を必要とするのではないか。

そしてそれはミューが時々口にする気にかかる言い回しと切り離せない問題だろう。

何にしても私はこの美しく魅力的な命の恩人の力になりまた私自身の目的を果たす算段を考えなければ…。

大海原を生き抜く為に…

「出来たわよ~」

ミューの明るい声が飛び込んできた。


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