彼の元・彼女の元へ
酷く頭が痛い…

まるで締め付けられる様な痛みだ。

ほんの数分前に生き抜く決意したばかりだと言うのに…なんて様だ…

この美しく華奢な女の子の一言でこんなにも打ちのめされてしまうとは…

痛みに耐えるのが精一杯で思考が落ちる。

波の音も、風音さえもギリギリと響く…

全くの静けさが欲しかった。

悲痛な痛みに為す術もなく必然的に押し黙り…ふたりの間に長い沈黙が続く。


「どうして黙ってるの…」
風音に乗せるように囁くミュー。

本当に美しい声だ。

一瞬酷い痛みが和らいだ感じがした。

私は声までも完璧に魅了させられている自分にようやく気付く。

でも…

もしかして…


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