ビター恋愛~愛の結晶~㊦
綾香と俺がいるところ見て・・・あいつ・・・誤解したんだ・・・。何であの時『誤解だ』じゃなくて『妹なんだ』
っていえなかったんだろう。
そこまで頭が回らなかった。普通、不安にさせといてこんな結果・・・ありえねぇよな。
「・・・・さっき、出て行った子が彼女なんでしょ?」
「見てたのか・・」
「もちろん。酔ったから、おっちゃんが水くれたんだ。ちょっとは目も覚めたし」
「・・・・別れるってさ・・・。止められなかった」
メモが俺のポケットに吸い込まれていく。自然と。
「綾香、彼女さんに睨まれちゃった」
「・・・・。」
うつむく綾香を慰めることもできない。愛子の表情が忘れられなくて。