ハツコイ

「泣いてる…」

「…えっ!?」

あ、ホントだ…
私…知らない内に泣いてたんだ…格好悪…

「ごめんな…守ってやれなくて…」

気づけば私は昂のたくましい腕の中にいた

いつのまには幸樹と海斗はいなくなっていて、私と昂以外、誰もいなかった

「怖い思いをさせてごめんな…
我慢しなくていい」

“我慢しなくていい”

ぶっきらぼうだけど、その、一言で私の我慢していたものが溢れ出した

昂の背中に腕を回し、わんわんと、あの恐怖を涙と一緒に流すみたいに大声を上げて泣いた

その間、昂は私の背中を撫でてくれていた