ハツコイ
「…なんかだせぇ…
彼女の前で泣くとか…」
そう言ってフハッと笑った
「ふふっ」
「笑うなよ」
忠義は拗ねたように口を尖らす
「ご、ごめん…ぷっ…」
可愛すぎ
「…瑠美??」
「ん??何??」
「…ありがとうな」
さっきまでの空気とは一変した
「私こそ…ありがとう」
忠義の茶色の瞳を見つめる
その瞳には私が写っている
端正な顔が近づき二年ぶりにキスを交わした
図書室には夕日が私たちを優しく包み込んでくれていた