ハツコイ
前を通りすぎようとしたとき、いきなり後ろに引っ張られたかと思うと、そのまま、体育館裏へ連れてかれた
「なぁ…」
私はもう逃げられない…
後ろは体育館の壁…
顔の横には、昂の手…
もう…逃げられない…
「何で避けてんだよ」
少し…一瞬…昂が哀しそうな顔をしたのは気のせい…??
「別に…何でもないよ
偶々」
もう逃げられない事くらいわかってるのに私はまた、さっきと同じ言葉を繰り返す
「えっ!?…」
昂の大きな手が、私の頬を触った
「…泣いてる…」
そう言って、私の涙を拭う
…いつの間にか…泣いてしまっていた