ハツコイ

「――…何やってんの」

ゆっくりと瞑っていた目を開けた

「ピカッ」とまた光り、今の状況に驚いた

「えっ――…!?」

そこには亜樹さんの振り上げた腕をガッチリと掴んでいる昂が立って居たからだ

私…誰にも居場所教えてないよ…??

「…なぁ、だから何やってんだよ」

暗くて顔は見えないけど、昂の声は低く、完全に怒っている

あ…目がだんだんと馴れてきた…

「カラカラーン」

亜樹さんの手から果物包丁が落ちるのが見える

「…どうしてよ…」

亜樹さんは力なく呟いたと思うと、昂の手を振り払いいきなり立ち上がった

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