ハツコイ
昂は震える私の所に来て何も言わず優しく抱き締めてくれた
それが心地よくって自然と涙が溢れてくる
「…どうして
…どうしてなのよ!!!!」
亜樹さんはまた、ヒステリックに声を上げた
その声に肩を上げる私を、より一層、昂は力強く抱きしめてくれる
「…ツグミといいアンタといい…昂を奪って!!
私はね!!
昔から昂が好きなの!!
なのに私の気持ちも知らないで昂を奪って!!
目障りなのよ!!」
涙声で亜樹さんは怒鳴り付ける
「…怖い…」
震える声で呟いた私に昂は
「大丈夫」
とだけ言って私を抱っこした