ハツコイ
美麗と向日葵の、さりげなく優しいところが心に染みた
「ほらよ」
海斗がわざわざ、私の鞄を持ってきてくれた
「ありがと」
「いいえ
じゃあ昂、後はよろしく頼むな」
「ん」
父親みたいな台詞を海斗が言うものだから、なんだか笑いが込み上げてきた
「ぷぷっ」
「何笑ってんだよ」
海斗も自分が言ったことを思い出したらしく、顔を赤らめ
「うわぁ…恥ずかしい事言っちまった…」
と言ってその場にしゃがみこんだ
そんな海斗を見て美麗が小さく聞こえるか聞こえないかの声で「カワイ」と呟いたのを私は聞き逃さなかった…
…バカップルめ