生まれ変わっても…

1.出逢い

｢桜姫様〜どこですか!?｣
声が聞こえる。
誰かが私を呼んでいる…だんだん声が近くで聞こえてきた。

｢桜姫様〜｣
この声は誠司だ。
日向誠司…様

せっかく気持ちよく寝ていたのに…と思いながら｢私ならここよ。｣
と言った。

｢桜姫様。こちらにいらっしゃいましたかって…何をしていらっしゃるんですか!?｣

｢何って…木登り!?｣

｢あなたってお方は…それでもこの櫻美の国の一条の家の姫という実感がおありなのですか?｣

｢いいじゃない…いくら姫だからといっても、私だって誠司様と同じ人です。木にだって登りたいですわ。｣

｢だからと言って…｣

｢それにこの千年桜は誠司様との思い出の場所。櫻美の人は桜を大切にするのですから…｣

誠司様との思い出の場所…
そう言うとあなたが何も言い返せなくなるのを私知っているの…

そう知っているの…

だって…あなたと初めて逢った場所だから…