オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「……でも、なんで、健介が?」

「……健介は 『姉想い』だからね。

ロクでもない男に、大切なお姉さんを弄ばれたのが許せなかったんじゃない?」

「…………」

「で、電話であんたは何を話したの?」

「チョコ、返してきたからって」


告白の件は、ここでは省略。


「返したの? その日のうちに?」

「ああ」

「でも、香奈は何も知らないのよね。

鈴木さんにチョコを返したことも、健介が勝手にメールしたことも、ケータイが拒否になってることも」


……そうか。ん?


てことは、オレは。


チョコも返さず、謝りもせず、何もしないで3日もほったらかしてる、って北原に思われてるわけ?


それはマズイ。


それは、マズイよ――。


それから、オレは、あせりまくった。


もう、授業どころではなかった。

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