オレの宝物。それは君の笑顔【完】
放課後、


「家まで送るよ」


オレは、下校する北原の後を追いかけた。


「でも、部活は?」

「遅れて行く――大事な話あるから」


マジで、このままじゃサッカーにも集中できないし。




数分後、帰り道にある公園のベンチに2人並んで座った。


「オレ、あの日あれからすぐ返しに行ったから……チョコ」


オレは弁解したが、


「……響ちゃんから聞いた。……健ちゃんがしたことも」


北原はすでに真実を知っていた。


それなのに、北原はオレと目を合わせてくれなかった。


「ほんとにごめん」


オレは素直な気持ちで謝った。

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