オレの宝物。それは君の笑顔【完】
……オレも、好きだよ。


まだ一度も「好きだ」と告げていないせいでずっと不安にさせていた。


だから。


香奈。


好きだよ。


さあ、想いを口に出して伝えるんだ。


頑張れ、オレ。


さあ、言うんだ――。


抱きしめる腕に、自然と力が入って。


「……い、痛い」

「あ、ごめん」


ついつい力を入れ過ぎてしまい、慌てて北原から離れた。


すると急に、この大胆な行動が恥ずかしくなってしまい、


「か、帰ろうか」


あせり気味にベンチから離れようとした。

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