オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「え、正人が? 誰に?」

「いや、それはオレたちの口からは言えないよな」

「うん」

「なんだよ、知ってるなら教えろよ」

「タカには、言えないよ」

「なんでだよ」

「……いい加減、この流れでわかるだろ。言わせんなよ」


気まずいムードに、ハッとした。


「……もしかして、香奈?」

「本人から聞いたわけじゃないけど」

「正人、北原と席、隣りだろ」


香奈と正人は3年になって、同じクラスになった。


隣りの席だというのは、香奈から聞いて知っていたが。


「休み時間にこっそり行って見てみろよ。オレたちが言ってること、わかるから」

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