オレの宝物。それは君の笑顔【完】
そのうちに、香奈がそっと手をつないできて。


2日ぶりの、香奈の温もり――。


香奈の手をギュッと握り返したが、その直後、ハッとした。


正人がオレたちを見ていたのだ。


すっかり忘れていたが、香奈と正人は(加納も)同じ班だった。


「はい、OK!」


加納が叫ぶと同時にオレは手を放し、


「じゃあ、また、な」


自分の班の友人のもとに戻った。


オレたちの仲の良さを正人に見られることに、抵抗を感じてしまったのだ。

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