オレの宝物。それは君の笑顔【完】
オレの誕生日は、残念ながら平日だったので、その直前の日曜日の午後。


オレは初めて、香奈の部屋に入った。


香奈の部屋は、イメージどおり、淡いピンクで統一されていた。


昨年の誕生日とクリスマスにオレがあげたクマが、他のクマと一緒に行儀よくベッドに並んでいた。


「座って」

「うん」


まずはお約束、小学校の卒業アルバムなんか見たりして。


言うまでもないが、やっぱり香奈はめちゃめちゃ可愛かった。


香奈の将来の夢は、「ピアニスト」。


ついでに、加納のも見てみると。


ある時は、写真家。またある時は、探偵。果たしてその正体は……。


「……なに、この、加納の、夢」

「響ちゃんらしいでしょ」

「うん、すご~く」


こんな感じで、終始和やかに過ごした。

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