オレの宝物。それは君の笑顔【完】
1週間後、オレは香奈の部屋にいた。
一緒にいた加納が親に呼ばれて家に帰り、香奈と2人。
「オレ、南高に行くよ」
考え抜いて出した結論を香奈に告げた。
「うん? 全国大会、出るんでしょ」
深刻に言ったのに、香奈はあっさりしていて、オレはちょっと落ち込んだ。
「……南高のサッカー部に入ると会う時間がなくなる、って聞いて」
「…………」
「寂しい思い、させるかも」
「…………」
香奈はしばらく考えていたが、
「大丈夫だよ。貴文がサッカーに夢中なように、私にはピアノがあるから」
まっすぐにオレを見つめて、言い切った。
「その代わり、絶対、全国大会に出てね」
香奈の、澄んだ瞳。
「……うん」
「……約束」
小指を絡めてくる香奈があまりにも可愛くて――。
そっと、キスをした。
一緒にいた加納が親に呼ばれて家に帰り、香奈と2人。
「オレ、南高に行くよ」
考え抜いて出した結論を香奈に告げた。
「うん? 全国大会、出るんでしょ」
深刻に言ったのに、香奈はあっさりしていて、オレはちょっと落ち込んだ。
「……南高のサッカー部に入ると会う時間がなくなる、って聞いて」
「…………」
「寂しい思い、させるかも」
「…………」
香奈はしばらく考えていたが、
「大丈夫だよ。貴文がサッカーに夢中なように、私にはピアノがあるから」
まっすぐにオレを見つめて、言い切った。
「その代わり、絶対、全国大会に出てね」
香奈の、澄んだ瞳。
「……うん」
「……約束」
小指を絡めてくる香奈があまりにも可愛くて――。
そっと、キスをした。