オレの宝物。それは君の笑顔【完】
明日は高校の入学式。


2人で香奈の部屋にいた。


「明日から、高校生か」


憧れの南高サッカー部の一員になれる。


オレは希望に満ち溢れていたが。


「響ちゃんと同じクラスじゃなかったらどうしよう……」


香奈は浮かない顔をしていた。


加納も、香奈と同じ東高に合格した。


確かに加納の成績は良かったが、例の黒い噂が頭に浮かんだのは否定できない。


「大丈夫だよ。きっと、同じクラスになれるよ」


100%の確信を持って、オレは言った。


「私、人見知りしちゃうんだけど、いつも響ちゃんが一緒にいて助けてくれるの」


他人の評価はどうあれ、香奈は、加納を信頼できる愛すべき友人――「親友」だと思っている。


そして、オレは期待していた。


加納が香奈に寄り付く虫たちを駆除してくれることを。

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