オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「……ねえ、今、私がなんて言いたいかわかる?」


オレの腕に包まれたまま、ふと、香奈が顔を上げた。


「…………」


オレは、そっと、香奈にキスをした。


「……『サッカーがんばってね』って言いたかったんだけど」

「な~んだ。『キスして』かと思った」

「……バカ」


はにかむ瞳が重なって。


「……香奈、好きだよ」


そして、もう一度――。








明日からは、高校生。




オレたちはしばらく会えなくなってしまうけど。




きっと、――大丈夫。

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