オレの宝物。それは君の笑顔【完】
Ⅱ.高校時代
初恋の、彼女
<柴崎広大(しばさきこうだい)>
4月。緑丘東高校の入学式。
花びら舞散る、桜並木の下。
「シバ」
校門を入ってすぐ声をかけられて振り返ると、篠塚洋人(しのづかひろと)が立っていた。
洋人とは小学校からの腐れ縁。
中学の3年間は、クラスも部活も一緒。
名前順の出席番号もいつも続いていて、学年の初めは必ず同じ班だった。
「またオレたち同じクラスだぜ」
「マジかよ~」
「それにしても男ばっかじゃん。今年こそカノジョ作りたかったのに」
教室に向かう途中で、洋人が不満をもらした。
洋人は、カノジョいない歴15年なのだ。
……というオレも同じだけど。
4月。緑丘東高校の入学式。
花びら舞散る、桜並木の下。
「シバ」
校門を入ってすぐ声をかけられて振り返ると、篠塚洋人(しのづかひろと)が立っていた。
洋人とは小学校からの腐れ縁。
中学の3年間は、クラスも部活も一緒。
名前順の出席番号もいつも続いていて、学年の初めは必ず同じ班だった。
「またオレたち同じクラスだぜ」
「マジかよ~」
「それにしても男ばっかじゃん。今年こそカノジョ作りたかったのに」
教室に向かう途中で、洋人が不満をもらした。
洋人は、カノジョいない歴15年なのだ。
……というオレも同じだけど。