オレの宝物。それは君の笑顔【完】
中2の冬、市内のサッカー大会。


織田の応援に来ていた彼女に、オレは一目ボレしてしまった。


サラサラの長い髪。


透きとおるような白い肌。


「美少女」という言葉は彼女のためにある――そう思えるほど、彼女の外見は人目を惹いた。


さらに。

淡く控え目な、まるで桜の花のような優しい雰囲気――。


彼女は、オレの理想だった。


その後、彼女が織田の応援に来た時にしか――それもほんの数回しか彼女の姿を見ることができなかったが。


目を閉じれば、彼女の幸せそうな笑顔が鮮明に浮かぶ。


ただし、その笑顔は他の男に対するものだったが。


誰にも言えない、片想いの相手――。

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