オレの宝物。それは君の笑顔【完】
ざっと教室を見回し、長年の勘で危険人物を察知した。


先ほど香奈ちゃんと話していた女子。


加納響子だけはやめてほしい。


祈るように、担任を見つめた。


「副委員長は――」


担任は、そこで、思いがけない名前を口にした。


「北原、やってくれるか?」

「……はい」


うわあ、なに、この展開!


同じ高校の、同じクラスで、隣の席になって、同じ学級委員?!


これって、夢じゃないよな。


なんか、なんかもう、最高に幸せなんですけどっ。


緩みかけた頬を引き締めるため、オレは太ももを思い切りつねった。

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