オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「いよいよアンケート発表も最後になりました。ベストカップルの登場で~す」


次のアンケート結果を告げるアナウンスに背を押されて舞台を降りた時、


「織田くん」


北原に声をかけられた。


「ピアノ、ほめてくれてありがとう」


北原はオレをまっすぐに見つめて、恥ずかしそうに微笑んだ。


「あ……いや」

「じゃあ、ね」


微笑みを残し、北原はオレの前から去って行った。


その後ろ姿を見つめながら。


やっと自覚した。




オレは、北原が好きなのだ――と。




北原にはカレシがいるが、カンケイない。


なぜなら、硬派なオレが女とつき合うことなどないからだ。



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