オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「あれ、2人の弁当、同じじゃん」


弁当を広げるとすぐ、洋人が気づいた。


「そうなの、今日のお弁当は香奈が作ってくれたの~」


どうだ羨ましいだろう、と言わんばかりに加納がオレを見る。


「へえ、北原って料理上手いんだね。めっちゃ美味そう」


洋人が感嘆の声を上げると、


「篠塚、これ、食べる? すっごい美味しいから~」


加納は野菜の肉巻きを洋人に食べさせた。


「うっま~。なにコレ、めちゃ美味。シバも食べてみろよ」

「え?」


なぜ、一瞬でも期待してしまったのか。


その期待はすぐにひねりつぶされた。

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