オレの宝物。それは君の笑顔【完】
毎年、秋分の日には高校の市内大会が行われている。


近場での大会の後は、現地解散。


当日――香奈の誕生日には、なんとか会うことができそうだった。


やっぱり、誕生日くらいは一緒にいてあげたい。




香奈の部屋でまったり過ごしていると、


――プルルルルル、プルルルルル。


不意にケータイが鳴った。


裕太からの電話だった。


「もしもし?」

「タカ~? 今、ヒマ~?」

「忙しい」

「そんなこと言わないで駅前のファミレスに来てよ~」

「今日は無理」

「実はね~、川田サンが来てるんだ~」

「え、川田サン?」


川田サンは、南高出身のJリーガー。


中学の時はオレの憧れの選手だったが、一度練習に顔を出してくれた時から目標の選手に変わった。

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